翻訳語

描主宇田川浩行K#F85E
下描き希哲9年(2015年)
05月11日 16:12
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール
この描出は「素描」です。

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ちなみに「柔品」というのは私が考えたソフトウェア翻訳語で,柔道に同じく「柔よく剛を制す」から取っている。勿論ハードウェアは「剛品」だ。私が「美しい柔品」を世界で最初に生み出せれば,それは日本の新しい文化になる。

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グロテスクは,「惧(おそ)れを露(あらわ)にする」で惧露(ぐろ),エロスは「艶露」(えんろ),なんて翻訳語も昔考えたな。

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日常的な使いやすさを考えると,イディオム翻訳語は「慣用形」か「慣用法」がよさそうだ。

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最近「コールバック」の翻訳語についてよく考えていて,いま試しに「呼縛」(こばく)を使ってみたのだが,悪くないな。音声的に一番それっぽいのと,字面的にも割と直感に適っている気がする。「束縛」という用語もあるし。

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ただ,メソッドと同時に使われやすいプロパティ翻訳語がまだ定まっていない。私はもっぱら C++ を使っていたので,メソッドやプロパティより,メンバー変数とかメンバー函数という用語を使うことが多かった。そこで,面子顔触れを組み合せて「面触れ」(めんぶれ)という面白訳語を作ったりしていた。

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希哲館訳語初期の傑作に「道手」(みちで)というのがあり,これはメソッド翻訳語だ。メソッドの語源ギリシャ語で「開かれた」のような意味で,日本語でも道具手段の意味で使われる字を使い高度な音写に成功した。

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日本人カタカナ英語に頼ってしまうのは,それが無難だからだ。翻訳語を使うことで賛否が分かれることを避けたい。気持ちは分からなくもないが,問題の先送りに過ぎないし,日本語の発展にとって良いことでもない。誰かが流れを変える必要がある。

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ドラッグ&ドロップ翻訳語,「引き放ち」を暫定訳語にしておいた。コピー&ペーストにはすでに「写し貼り」という使いやすい希哲館訳語があったが,引き放ちも加わりこの辺の用語もずっと使いやすくなった。

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リスト翻訳語,むかし「列選」というのを考えたが,「列出」「列集」あたりでもいいな。

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昨日思いついたリラックス翻訳語利楽」。よく調べてみると仏語にもあったという。

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ポインター翻訳語,「翻体」がちょっと気に入ってたが,「指示体」か「指点体」あたりを暫定訳語にした方が分かりやすいかもしれない。

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あとは,自分で造った翻訳語を自分で使い続けるという精神性も必要だ。昔「カタカナ語を翻訳していこう」という動きも無かったわけではないのだが,ほとんど「提案」止まりで,みんなが使わないなら自分も使わないという姿勢でやる人しかいなかった。たとえ一人でも使い続ける,という精神異常者は私くらいなもので。

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自分が造ってきた翻訳語を眺めていると,やはり特別に「可愛い子」みたいなのがあって,「参派」(さんぱ,サード パーティ)もその一つだ。出来た瞬間, そうか,参入・参加の参と三の大字はかけられるのか!という感動があった。

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翻訳語造りに必要なのは,日本語外来語に関する知識もさることながら,やはり「思考力」なのだと思う。消化吸収に喩えるなら咀嚼力と言ってもいい。私が日本人カタカナ依存症を「思考停止」問題の一種として捉えている理由。

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あと「陶練」(トレーニング)という訳語も最近気に入っている。さっきの,整理整頓清掃3S ではなく「整清」と表現することもそうなのだが,母語に消化した言葉を使うと,その概念がちゃんと自分の物になっている感じがして非常に気持ち良い。

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私もよく簡単に「カタカナ依存症」とか言うけど,考えてみれば,この量と質で翻訳語を考えられる方が異常なんだよな。

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カタカナ語の翻訳をしているとよく思うことなのだが,翻訳語というのはその概念を言語体系の一部にする作業で,ちょうど食べ物を消化して血肉に変えるようなことに似ている。カタカナ依存症というのは,食べ物を消化せず胃に溜め込んでいるようなもの。

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ここ数年,道手(みちで,メソッド)とか省割(ショートカット),換え取り(カートリッジ)とか,かなり技巧的な翻訳語を大量に造ってきたのだが,最近,ディスプレイ表示機プロセッサ処理器メモリ記憶器とするような単純な訳語も再評価しつつある。

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翻訳語を考えるとき,当然中国語を参考にすることも多いが,そのたびに焦りを感じる。英語のみならず中国語と比較しても,日本人情技(IT)を理解し知識を蓄積する言語を持っていないという現実に。

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実際,翻訳語を考えるのって,その概念について考え尽くすということでもあったりする。私はこれでかなり思考力を鍛えられた気がする。

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これは単に翻訳語を受け取る側の問題だけではない。大局観翻訳家の側にも必要だ。語彙というのは体系なので,「木を見て森を見ず」では上手くいかない。その訳語が既存の語彙体系の中でどう機能するのか,ということを考えなければならない。こういう字を使うとあれと紛らわしいな,とか私が細かいことをいちいち考えているのも,常に語の整合性を意識しているからだ。

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プリプロセッサーを「下処理系」と訳せそうなことに気付いた。これ,結構めんどくさいカタカナ語だったから便利だな。

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この前「名前空間」の改訳語として「名称空間」を採用したのだが,C++ 用語の中でも悪名高い「無名名前空間」は では「匿名空間」にしておこう。こういうの大事。

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例えば,良い文章を思いついたとしても,そこに見慣れない独自の翻訳語を使えば当然敬遠されることが多い。ここで,フォロワーが欲しいとか,拡散して欲しいとか,そういう感情があるとやっぱり見慣れたカタカナ語を使っておこう,ということになってしまう。そこを一切無視して書きたいように書けてしまうのが私だ。

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こう大量に翻訳語を造っていると小気味好い訳語というのがたまに出来て嬉しくなる。特に,漢語より大和言葉で表現出来ると気持ちいい。諸場(もろば,モバイル),出放り(でほうり,デフォルト),換え取り(カートリッジ),集め振り(アセンブリ)等々。

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希哲館事業が発展するとともに,世界金融危機の影響も顕在化し,日本人は主体性を失なっていった。翻訳語を考えようというよりも英語を学ぼうという考え方になった。同じように,10年前には見られた「日本から世界的盤本プラットフォーム)を生み出そう」という志を持つ者も少なくなった。

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希哲館は,計らずもというか何というか,日本最大の翻訳語研究機関になってしまっている。計らずも,というのは,希哲館を創立した10年程前というのは,この手の翻訳活動がまだネット上にも散見された時代で,その時点では翻訳語研究希哲館が互いにここまで重要な存在になるという明確な備像ビジョン)は持っていなかった,気がする。

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翻訳語というと,どうしても漢字に頼って漢語系の造語になりがちなのだが,希哲館訳語には大和言葉系のものも数多くある。情報技術用語に限っても,駒手(こまで/コマンド),道手(みちで/メソッド),場筋(ばすじ/パス),出放り(でほうり/デフォルト),手定め(てさだめ/テスト),集め振り(あつめぶり/アセンブリ),諸場(もろば/モバイル)……他,枚挙に暇がない。

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