実装作業もそれなりに捗ったが,頭の整理もだいぶ進んだ一日だった。幸先が良い。
組計整理が進み,当面の組計の見通しはさらに改善,気持ちにも落ち着きが出てきた。
デライト市場戦略にも大きな進展が見られ,より一貫性が高まった。
なんとなく対 Facebook 戦略について考えていると,用者数30億人に迫る Facebook に勝つのに50億人や100億人を目指すのはあまり賢くないな,という思いが沸き起こってきた。
大きな風船(量的大国)には小さな弾丸(質的大国)をぶつけるしかない,というのはジパング計画で考えてきたことだが,デライトに関しては,量より質という考え方を徹底出来ず,まだ爆発的流行による成功という可能性を捨て切れずにいた。
超高効率経営があり,安定拡大戦略があり,書き手・読み手の能力に大きく依存する文字献典を重視し,日本と日本語を重視し……と,全体として量より質を志向すべき環境は整っていた。現に,いまデライト運営が楽なのは,異常なまでに知的好奇心旺盛でリテラシーの高い日本人用者しか寄り付いていないからだ。国内外から無闇に用者をかき集めていたら,いまごろ破綻している。
輪郭一覧にあるデライト広告も,どちらかといえば一見よりも描き手向けになっている。初期に配置を決めてから何度も再検討はしたが,ほとんど動かしようがなく,結果的にこうなっている。輪郭そのものに対して広告を付けると,単純に描き手・読み手双方にとっての快適性を損うという問題もあるが,扇情的な内容が増えれば増えるほど収益が上がる構造になり,信頼性とモラルの低下を招きかねない。
これだけの条件が揃っていながら,まだ揺らぎがあった。問題は,こんな広告で十分な収益を上げることが可能なのか,確証が掴めていないことだった。これについては先月実証され,最近では,全知検索を使い込んでくれる重用者をいかに増やしていくか,という意識が高まっていた。これが最後のピースだった。
ここからは,デライト市場戦略でも,量より質,広さより深さという考え方を徹底していくことにした。デライトが知能増幅メモサービスとしての完成度を高めていけば,用者は必ず後から付いてくる。日本語圏の限界に達する時には,世界中の人が日本語を学ばざるをえないだろう。