キリル文字(露:Кириллица,英:Cyrillic alphabet)は,主にスラヴ諸語で用いられる文字体系である。
キリル文字の起源と教会スラヴ語
スラヴ人へのキリスト教布教活動
キリル文字は,東ローマ帝国時代,中央マケドニア地方の首府テッサロニキ出身の兄弟,キュリロスとメトディオスが,ギリシャ文字を元にして発明したグレゴール文字が,後にキュリロスらの弟子によって改善され,キュリロスの名が冠されたものである。
その動機は,862年,モラヴィア王国が,東ローマ帝国に対し,伝道師の派遣を求めてきたことによる。しかし,当時スラヴ語には文字がなく,布教のためにスラヴ語の発音にあわせた文字を作り出した。
この最初期に成立したスラヴ語の文語を「(古代)教会スラヴ語」という。