〈lightweight language〉などにおける〈lightweight〉には素直に「軽量」を当てることにした。
例えば〈lightweight markup language〉は「軽標記言語」と訳していたが,見慣れない翻訳語と組み合わせると,原語がぱっと浮かんでこない。これは「軽量標記言語」の方が無難だろう。
そもそも〈lightweight〉に「軽〜」を当てるようになったのは,希哲7年頃に〈lightweight language〉への「軽言語」という翻訳語を考えてからだ。
論組言語においては,スクリプト言語の類を「軽量言語」と呼ぶのに抵抗があった。デルン開発でも鈍重な PHP から Cμ に書き換えて間もない頃だったし,ツバメ開発でも余計なパッケージが必要なことが多い論組言語は「荷物」だった。「軽量」が人間の負担の軽さを表すものだとしても,論組では実行速度の遅さが心理的な負担になることも多いわけで,違和感が拭えない。そこで少し抽象的な語感になる「軽〜」を使い始めた。
ただ,標記言語の場合は実行速度などの問題がないせいか,物量的な軽さという意味合いが強い「軽量」でもあまり違和感がない。むしろ抽象的な「軽〜」を使う方がその長所が霞んでしまう表現になる気がする。
そもそも,「軽量」という表現に問題があるとしてもそれは翻訳語の責任ではないし,そこを意訳すると〈lightweight〉という表現をめぐる議論も参照しにくくなる。