宇田川の造語。
「月庭」(げってい)は,希哲館が主催する仮想空間を指す呼称である。ラテン語では Gettei(ジェッテイ)。
当初,読み方は「げってい」と「つきにわ」で不定,外国語訳は英語なら moon garden などとしていたが,略称を「GT」としたことで公式な読みが「げってい」となり,ラテン語音写〈Gettei〉を使うことにした。ラテン語では〈Ghettei〉とした方が音が近くなるが,「ゲットー」(Ghetto)と綴りが似るのを避けた。
希哲12年2月23日,「月市庭」(つきいちば)の語の考案にともない,「つきば」の読みを加える。
希哲館のウェブサイトは一時「電領」と称していたことがある。
ここ数日,大きく報じられている『WELQ』問題を背景として,「キュレーション サイト」などと呼ばれるものを含む広義の「まとめサイト」のあり方が問われている。
私はもともと脱まとめ論者だ。キュレーションに対しては「ガーデニング」(参考:「キュレーション」と「ガーデニング」の違い),まとめサイトに対しては「もとめサイト」などと,「まとめ」から脱却するための様々な表現・概念を考えてきた。この『月庭』もその思想に基いて開発されている。
3年ほど前に「キュレーション サービスへの印象」という文章も書いている。その中で私は,いわゆるキュレーション サイトの問題として,粗悪な情報でアクセス稼ぎをさせるような設計にしかなっていないことを指摘していた。これはまさに今『WELQ』問題で指摘されていることと同じだ。
私が「ガーデニング」や「もとめ」という概念で言わんとしていることは,「よりよく見せかけるための知」ではなく「よりよく見るための知」を重視しようということだ。これは現代におけるソフィズムとの闘いでもあり,希哲館がその名の通り追究してきた課題でもある。いまさら確信が深まるというほどこの信念が揺らいだことは無いのだが,いよいよ機が熟してきたという感がある。