日本社会

描主宇田川浩行K#F85E
下描き希哲8年(2014年)
06月20日 17:49
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール
この描出は「素描」です。

広告

一覧

=}{*}

芸能界との境界も曖昧だった時代のヤクザって,貧しくて混乱していた時代に拡大したものだから,事情も深刻なものが多かったし,「任侠」的な美学があったり,世間にも少し同情があった。これが「暴力団」として明確な「不必要悪」になったのが平成バブル崩壊後,つまり安定した豊かな日本社会が出来てから。

=}{*}

ただ,「自分で作ったサービスを自分で使う」って簡単なことのようで実は凄く難しい。それは「他人と違う生き方をする」ということに等しいので,日本人には特に難しい。私を見ていれば分かると思うが,自分で全く新しいサービスを開発してそれを一人で嬉々として使える人間って,日本社会では「狂人」以外の何物でもない。

=}{*}

密結合社会」と「疎結合社会」,というのは使える観点かもしれない。日本社会の問題はだいたい密結合であることで説明出来る。

=}{*}

まあ,日本人もまだ腐り切ってはいないと思うのは,ちゃんと「接待外交」に憤っている人がそれなりにいるからだ。日本社会はまだ辛うじて健全だと思う。

=}{*}

戦時中からの日本人集団主義(とあえて言っておくが)の欠点は,要するに不合理を「調和を乱さないため」に許容してしまうことにある。それが全て悪ではないが,それだけでは当然問題も起きる。日本社会のあちこちにある「意味不明な因習」の数々はこうして作られた。

=}{*}

彼らのいう「まともな大人」というのは「あらゆる面において平凡な大人」のことでしかない。そして日本の学校教育の目標はそういう大人を作って安定・高効率な日本社会の礎にすることだ。それはそれで長所もあるし,一概に間違っているとは言えない。ただ今はそれだけでは駄目なのも確かで。

=}{*}

いわゆる日本社会の「同調圧力」を,なかば「淘汰圧」として利用し,それに耐え抜いた世界最強の個人主義達が新分野の開拓を担い,世界最強の集団主義者達が整備を担う。これで日本は世界史上最大の極大国(ハイパーパワー)になれる。

=}{*}

これまでは,「外の黒船」があれば日本社会は再編成出来た。ただ,現代では徳川集団主義を基調とする近世型日本人の限界が問題なので,内側から新しいものが出てこなければならない。そこで信長秀吉の如き中世型日本人が「内の黒船」として要請される。

=}{*}

先日も書いたが,日本が劇的に変わる現実的な筋書はただ一つ。日本社会の画一性から抜け出したはぐれ者が,勝手に何か大きなことを成し遂げて,その衝撃が日本社会を変えていく。これを私は「内の黒船」と呼んできた。

=}{*}

私が普通の日本人と全く逆の方向を向いてはみ出しているとすると,堀江さんは普通の日本人と同じ方向を向いて前に出過ぎているというイメージ。

=}{*}

堀江貴文さんって,日本社会のはみだし者みたいなイメージを付けられているというか,本人がそれを利用している面もあるけど,実はあの人ほど日本人的な特徴を突き詰めた人もいないと思う。勉強と流行を追うのが常軌を逸して得意だから変人に見えるのだが,特に独創性があるわけではない。ベクトルは普通の日本人と同じ。

=}{*}

ヨーロッパですら,そういうのやめようよ,とニーチェが言い始めたのが100年ちょっと前なのだから,日本社会がそんな感じでも別に不思議はない。

=}{*}

今の日本が変わるとしたら,誰かが日本国民を鼓舞してみんなで力を合わせて,みたいなことより,一早く日本社会の常識を抜け出した異端児が勝手に何か凄いことを実現して,その力で国民の意識を変えていく,というのが一番現実的な筋書だと思う。

=}{*}

これは個人的な経験に依るところが大きい話だが,私は恐らく日本人どころか大抵のアメリカ人よりも冒険的な性格であるし,「ゴキブリが一匹いたら」じゃないが,こういう人間が日本に生まれているということは,すでに日本社会の構造が変わり始めているということなのだと思う。

=}{*}

最近の論考をまとめると,平成バブル以降の日本経済の停滞は情技(IT)産業への重点移動に失敗したことが主因で,新しい分野を開拓しなければならない情技産業は協調(≒常識)を重んじる伝統的日本社会にはそもそも向いていない。それも日本人が頑張っていないからではなく,間違った方向に頑張り過ぎているからなので「危機感」では変わらない。

=}{*}

まあ,思っていたとしても誰も変えようと言い出せないのが日本社会だったのかもしれない。

=}{*}

……とは簡単に言うが,1600年頃から約400年かけて作り上げられた日本人の精神性にメスを入れる大仕事だ。

=}{*}

要は,いまの日本社会の問題って「みんなで頑張れば結果が出た時代」からどう転換するかという問題なのだと思う。

=}{*}

昔から,日本人の末端は有能なのに上が無能,という話があるが,これは正確に言うと「上に立てる人間がいない」という日本社会の根深い問題なのだと思う。末端で有能だった人も,上に立つと無能になってしまう。みんなが「指示に従って頑張る」という兵隊気質だから。

=}{*}

しかし,つくづく不思議だなと思うのは,私のように典型的な日本人像とは対極にある人間が,この日本社会で本当によく育ててもらったということだ。20歳頃の私は,フランケンシュタインの人造人間くらいに日本社会における自分をイメージしていたのだが,実際には多くの人に温かく接してもらったし,日本でなければ自分は存在していないと感謝出来るようになった。

=}{*}

日本の情技(IT)業界がダメな理由」には,実は日本社会の全体的・根源的な問題があるのだが,やれ下請けがどうの待遇がどうのと,枝葉末節の議論に終始している人が多い。

=}{*}

日本社会独創性を持った子供は,大抵「おかしな奴」として冷遇され成長過程で自尊心を失なってしまう。この「自尊心」こそ真に大切なもので,自分のやることに価値があると思えなければ困難に打ち勝って独創性を形にすることは出来ない。

=}{*}

日本社会には独創性を殺してしまう構造があるし,日本社会が世界的にみて特異なので周囲に合わせているだけだと必然的にガラパゴス化してしまう。奇を衒っても,強い芯が無いのでサブカルで終わってしまう。

=}{*}

さっきも「鉄砲玉」の話をしたが,日本社会には機関銃を乱射するような起業よりも,一発に魂を込める狙撃のような起業が適しているのかもしれない。

=}{*}

情技(IT)に限らず,最近,世界金融危機の頃とは別の閉塞感が日本社会を覆いつつあるような気がしている。これだけ手を尽くしてもやっぱり日本はどうにもならないのか,みたいな……。

=}{*}

こういうことを言うと誤解されそうだが,私はそういう日本社会が一概に悪いとは思っていない。均質性の高い社会には利点もあるし,日本社会の安定性は間違いなくそこに依っている。むしろ,私のような人間が溢れかえったら戦国時代同然の世の中になってしまうので,そこを目指すべきでもない。ただ,情技(IT)には「異質さ」が必要で,それを生み出せなければ日本の業界,ひいては日本経済に未来はない。それも現実だ。

=}{*}

やっぱり,日本社会環境親戚家族には感謝しなくてはならない。

=}{*}

警察司法のせいで萎縮」と騒いでいる人達の多くは,自分の隣にジョブズのような「迷惑な」人間がいたら,しかめっ面をするだろう。型破りな人間を萎縮させているのは,何も警察だけではない。そこに目を向けなかったら,やはり薄っぺらい話で終わってしまうと思う。

=}{*}

アメリカ合衆国という国は,例えばドナルド・トランプを大統領に出来てしまうくらい「いい加減」な国だ。そのいい加減さが数々の破壊的イノベーションに繋がってきた。じゃあ,そのいい加減さを日本社会に受け入れる覚悟が本当にあるか,という問題。例えばあなたの横にジョブズがいてあなたは本当に嬉しいか?という問題。

=}{*}

で,「警察司法のせいで萎縮」みたいな議論があまり良くないな,と思うのは,その「原因」を取り違えたままだとやはり根本的な問題解決にならないから。業界が成長しない問題は,「ほいほい逮捕しちゃう警察」だけではなくて,例えば「頭がかたくて常識に執着する業界人」にもあるし,それは日本社会全体の問題,日本人の根本的な気質の問題が様々な形で現れているというだけなのだと思う。

=}{*}

私は警察司法日本の情技(IT)業界を萎縮させている,という議論にはちょっと賛成出来ないのだが,それとは別に,「日本社会の堅苦しさ」がイノベーションを阻害しているのは間違いないと思う。情技のような世界では良い意味での「いい加減さ」が必要で,日本社会にはそれがない。逮捕云々はその結果であって原因ではない。

=}{*}

日本社会はなんだかんだいってまだ「ぬるま湯」なので,日本人に向上心がないのも無理はない。戦後必死で頑張ってきて,最近ちょっと地位を落としたけど,でも意外と悪くないな,みたいな微妙な状況にある。その辺は発展途上国とも,競争せざるをえない社会構造になっているアメリカともちょっと違う。能力以前に,持ち辺(モチベーション)の維持が難しい。

=}{*}

昔から,事務の現場で効率化のためにマクロの類を使うと怒られる,というようなことが日本社会の理不尽さとして語られているが,そもそもそのやり方に問題がないかの検証が出来ないし,末端の不定形な「工夫」で業務が大幅に改善する余地があるとしたらそれは継続的な業務改善が出来ていない経営の問題,ということはあまり指摘されていない。つまり,マクロを使えないことではなく,マクロで改善したくなるほど非効率な業務を放置している経営の問題。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.01
制作・運営:希哲社
© K1-13 (2007-2019) KiTetuSha