安倍政権の「過剰接待」ともいえるドナルド・トランプ訪日について議論が絶えない。
言うまでもなく,トランプ氏は本国において数々の疑惑と醜聞にまみれた人物であり,ロシア疑惑に関するモラー報告書の公表以後,弾劾論もかつてない盛り上がりを見せている。大統領選を競ったヒラリー・クリントンに総得票数で約300万票も負け,就任以来,ほぼ不支持率が支持率を上回り続けている,「多数派に否定され続けているアメリカ大統領」である。
それだけに,安倍政権がトランプ当選から一貫して「幇間外交」「接待外交」とも言われる低姿勢外交を続けてきたことに違和感を拭えない者は多い。ネットでは連日,「アメポチ(飼い犬)」「属国」「51番目の州」など対米従属を象徴する自虐的な言葉が飛び交っている。
もちろん,日米の関係を考えれば,相手がどのような大統領であれ,ある程度良好な関係を築いておくべきだろう。問題はその「程度」にある。他の先進国に比べて,安倍政権のトランプ政権に対する入れ込みようは明らかに異常であり,ほとんど「運命共同体」の様だ。これでは主体的にアメリカと付き合っているというより,アメリカに付き従っていると思われても仕方ない。
対米従属という問題意識は第二次世界大戦後からずっとあるものだが,日本人の議論は不思議なことに「従属に慣れる」か「無理をしてでも従属を脱するか」に分かれやすい。「アメリカのくびきの恥辱に耐えてそれを脱するように現実的な努力をしよう」と言える者が少ない。これこそ正真正銘・完全無欠の「愛国心」であるはずだが,愛国心を唱える保守層ほどなぜか飼い馴らされた奴隷のようにアメリカに対してだけは従順だ。
私はその本物の「愛国心」を持つ少数派の一人だ。いま希哲館ではデルンを中核とした知識産業革命の準備を進めている。これは日本を世界史上最大の極大国(ハイパーパワー)にしようという「ジパング計画」を可能にする。
令和日本が対米従属を続けるしかない「弱い日本」でいいと言うなら,希哲日本はアメリカをも圧倒する「強い日本」を目指す。奇しくも,今回のトランプ訪日は両者の性格の差を象徴する出来事になりそうだ。