笑いと反権力

描主宇田川浩行K#F85E
上描き希哲13年(2019年)
06月12日 22:50
下描き希哲13年(2019年)
06月12日 22:45
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

最近の日本では,芸能政治に対してどうあるべきか,という議論が絶えない。

先月,俳優佐藤浩市さんが映画インタビュー記事の中で「体制側の立場を演じることに対する抵抗感」を語って論争を呼んだことは記憶に新しい。

安倍政権自民党芸能人を交じえて積極的に広報活動を行うようになってからというもの,この手の問題が多発している。目下,女性向けファッション雑誌『ViVi』自民党との広告企画を行ったことが批判の的になっている。

特に,お笑いの世界に対しては「芸人反権力であるべきだ」という考え方を根強く持っている人が多い。チャップリンに象徴されるように,権力や権威を笑い飛ばすことがお笑いの使命だと思っている人が少なくない。日本では少数ながら,それを意識して活動している芸人もいる。

ただ,私はこれに少し違和感を覚えている。権力批判を目的としているお笑い芸人は,大抵の場合笑えないし,「芸」が出来ていないのだ。

そもそもなぜ笑いが反権力になるのかといえば,権力権威には必ず欺瞞があるからだ。『裸の王様』の寓話ではないが,笑いを追求していった時に「結果として」,権力者も含めて世の中の滑稽さが暴露される瞬間がある。

そんな人間のありのままの姿を見抜く洞察力があり,表現力と表現することを恐れない心意気があって,はじめて優れた芸人と言えるのではないだろうか。

だから,政治に対する義憤があるなら尚のこと,お笑い芸人にはあくまでも笑いを追求することを忘れないで欲しいと思う。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.01
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