{あれ K#F85E/5B28-3CE9}宇田川浩行 プログラムにしても,原理は計算であるにしても,プログラマーですら「算譜」という訳に違和感を覚える人は多いと思う。昔は知らないが,現代的なプログラミングはどちらかと言えば計算より論理に重点がある。そこでプログラム(プログラミング)の希哲館訳語は「論組」(ろんぐみ)となった。
{あれ K#F85E/5B28-A96A}宇田川浩行 プログラムも「算譜」ではほとんどの人が理解出来ない。一つの鍵は,「コンピューティング」が「計算」とは訳せない,ということ。これは間接的に,英語におけるコンピュートという概念が,単に計算をすることから計算によって情報処理をすることに拡張されていることを示していた。そこで,希哲館訳語「勘報」(かんぽう)が生まれた。すなわち,情報の勘定である。
{あれ K#F85E/5B28-EA51}宇田川浩行 例えば,「計算機」という言葉から一般人が連想するものって,計算するための機械,簡単に言えば電卓だ。でも,実際のコンピューターはゲームをしたり,調べ物をしたりするもの。計算機科学の初期にあった翻訳語が,技術の普及とともに廃れていった理由がここにある。
{あれ K#F85E/5B28-DA58}宇田川浩行 さっき「算譜」の話が出て少し思い出したが,10年以上前,この手の既成訳語を採用しようとしたことがあったものの,これから定着させるのは難しいだろう,という結論になった。「算譜」が普及しない理由,「(電子)計算機」ではなく「コンピューター」が使われてしまう理由,「コンピューティング」を上手く訳せない理由,全て通底していることに気付いた。「計算」という表現が直感にそぐわなくなっている。
{あれ K#F85E/5B28-EAB2}宇田川浩行 ちなみに私が希哲館訳語で音写性を重視しているのは,全てにおいて原語をよく再現した理想の翻訳語を目指しているからというのもあるが,やっぱりカタカナ外来語を大量に置き換えると,「原語を連想しやすい」というのは単純に便利。記憶しやすく思い出しやすい。
{あれ K#F85E/5B28-9517}宇田川浩行 基本的に,ここで紹介しているような希哲館訳語はそれなりの考証を経て,無数の没案の上に立ち,これ以上の翻訳語は考えられないだろうと「上等訳語」に認定したものなので,つっこみ所がほとんど無い。つっこみに懸賞をかけてもいいくらいで。
{あれ K#F85E/5B28-AEC0}宇田川浩行 折角登場したので今日のアレな希哲館訳語:めんぶれ【面触れ】メンバー(member)の翻訳語。「顔触れ」の「顔」をやや抽象度の高い「面」に置き換え,主に技術用語として用いる(「面触れ函数」等)。似た語に面子(メンツ)がある。
{あれ K#F85E/5B28-8FA4}宇田川浩行 希哲館訳語だって,本当はもっと茶目っ気があった方がいいのかもしれない……が,今でも結構アレなところがあると思う。だってメンバーを「面触れ」(めんぶれ)とか大真面目な顔で使ってるんだから,つっこめるだろ。もっといじって話題にしてくれ,という本音も全くなくはない。
{あれ K#F85E/5B28-9C9C}宇田川浩行 炎上商法しかり,つっこみやすさってネットで話題になるには必須といってもいい要素なのだが,希哲館事業の場合,そもそも私以外に正確なつっこみが出来る人間がいないので,人を寄せ付けないものになってしまっている面があり,痛し痒し。