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{符号英語の効果 K#F85E/5446}

私の重要な発明に,符号英語(codish)というものがある。これは,よく用いられる英語略語などを集成して辞書にし,簡潔な表現体系を作ろうというものだ。ファイルや,プログラミングにおける命名などに幅広く利用でき,名前の一貫性を高めることを目的としている。

例えば,「文字列(string)を意味するのは「str」で,文脈上明らかな場合には「s」と略せる。こういった用例を蓄積していく。昨今のプログラミングでは「無闇に略語を使わず,多少冗長でも分かりやすく表現する」ということが常識とされている。C 等では相当無茶な略語があるが,これは入出力機器に大きな制約があった時代の名残だ。

とはいえ,やはり「str」のように,熟練の情報技術者が慣れ親しんでいる表現というものがある。こういった表現は,慣れるのに時間がかかるが,慣れてしまえば書くにも読むにも能率的だ。通常,プログラマーは膨大な量の細かい識別子を瞬間的に繰り返し読んでいるので,例え1文字の無駄でも長期的には無視できない労力になる。これは自動補完機能などでは補いきれない。

そこで,コンピューター向けの特殊な人工言語として,簡単な文法を定め,便利な語彙と用法の蓄積を行い,容易に検索できるようにする。広範囲に一貫して利用することで学習コストを相殺する。これが符号英語だ。これは,一元的・網羅的・公知的な覧部(ライブラリー)によって生産性の飛躍的向上を計る のような夢舎言語(ミュージアム言語)の基礎理論にもなっている。API設計に大きく関わるからだ。符号英語に基けば,簡潔かつ一貫性の高いAPIを提供できる。むしろ,符号英語でなければ意味がない。言い方をかえれば,Cμ は C++ と符号英語であらゆる機能を記述してしまおうという試みでもある。

用途はプログラミングのみではないので,例えばファイル名やコマンド名などにも一貫性を持たせることが出来る。これは慣れてしまうと離れがたい快適さがある。符号英語辞書にも相当な蓄積が出来てきたので,近いうちに公開したい。