デライトの写し取り自動化
括弧を使った自動選択機能に加えて,写し取りも自動化することにした。最初は括弧を押した時に自動で写し取ることを検討したが,一見して機能が分からず,誤操作の懸念もあるため,何らかの条件で別のボタンを表示することにした。
このあたりを弄っているうちに,輪郭にまつわる用語に連鎖的な閃きがあった。
印輪,〈knotation〉,IKON,KnoB……
文字列による輪郭の表記法は,長い間使っているにもかかわらず用語が定まっていなかったため,交度上の適切な表現もなく,ここしばらくは仮に mng(meaning)と表現していた。ただ,mg(middle ground)という用語もあり,紛らわしかった。
ここでふと,〈inline〉という表現が使えそうなことに気付いた。意味的にはごく自然で,〈outline〉にもかかっていて面白い。早速,印字可能輪郭という意味合いで「印輪」等の和訳を思い付いたが,単に〈inline〉では文脈依存過ぎるため,もう少し厳密な表現が欲しくなった。
適当に「ION」(inline outline notation)という表現を思いついたところで,〈knotation〉という造語が出来ることに気付いた。さらにこれを使えば,アイコン(icon,ikon)にかけた IKON という頭字語が出来そうなことにも気付いた。輪郭を象徴する記号という意味で,理想的な語感だった。
とりあえず,IKON を仮に inline knowledge outline notation などの略,あるいは IKN で inline knotation などの略として交単語 ikn で表すことにした。和訳は仮に「知記法」とした。
さらにここから,最近は輪括弧(outline bracket,obr)などと呼んでいた括弧も,〈knob〉にかけて「KnoB」(knotation bracket,knb)と表現することを思いついた。デルンにおいて,この括弧はまさしく輪郭の「取っ手」として機能するため,これも素晴らしくしっくりくる表現だった。和訳は「知括弧」などとする。
若干取っ散らかってはいるが,輪郭の構成要素を指す用語の素材は揃い,後は多少整理するだけで完璧になるだろう。
ただ,ここまで来て,「輪郭」そのものに固有の用語が無いことがより気になってきた。似たようなことは以前から時々考えていたが,例えば IKON で knowledge outline という表現を使ったことから「知識輪郭」や「知的輪郭」の意で「知輪」という表現を導入してもいいかもしれない。これなら「知機」も連想しやすく,「全知検索」にも調和している。
「知輪」で真っ先に思い浮かべたのは『チリンの鈴』だったが,擬音語としてのちりんも悪くはない語感だ。輪郭は花に喩えて助数詞「輪」を使っているため,「散りぬ」(散る)も連想したが,これはどうかければ上手いのかまだ分からない。