「次世代検索エンジン」は何を間違えてきたのか

描主宇田川浩行K#F85E
上描き希哲9年(2015年)
03月08日 00:44
下描き希哲9年(2015年)
03月07日 23:36
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

「次世代検索エンジン」などと銘打たれる開発露事プロジェクトを眺めていると,いわゆる検索エンジンになぜあまり進歩がみられないのか分かる気がする。

古典的な検索エンジン開発の方向性には二種類ある。「高機能指向」と「高性能指向」だ。高機能指向とは例えば,画像入力や音声入力を扱えるとか,ソーシャル化や人工知能でより高度な回答を生成出来るとかいう類の話だ。一方の高性能指向とは例えば,新しいアルゴリズムデータの処理速度や精度を飛躍的に向上させるとかいう類の話で,高機能指向に比べると表面的な変化には乏しいかわりに内部的な改良を重視する。DuckDuckGo のようにプライバシー指向を表明するものもあるが,これはどちらかといえば「プライバシー保護」という機能(あるいは制約)を含んだ高機能指向だと一用者ユーザーとしては感じる。

特に高機能指向は一見して分かりやすいので鳴体メディア受けが良く,過去にも様々な「次世代検索エンジン」が取り上げられては,さほどの成果はあげられず表舞台から消えていった。

個人的には,高機能指向にも高性能指向にも大きな可能性はないと思っている。これらの全てが,1990年代後半に確立された「検索エンジン像」の延長線上に留まっているからだ。つまり,検索技術開発者がいま考えるべきことは,検索という行為の本質を捉えなおし,検索を再定義することだと考えている。それは「優れた検索エンジンを作ること」ではなく「検索エンジンという概念を超えること」に他ならない。

私は,Google日本で紹介されはじめた頃から Google 検索用者で,ほとんど「酷使」といっていいほど使い込んできた。だから Google 検索から離れるということは考え難かったのだが,自身で「想起検索(anamnestic search)の開発者となってから間も無くこの月庭に検索活動の中心を移せたことに自分で驚いた。昨年からは,月庭で補助的に利用する検索エンジンも DuckDuckGo に切り替え,Google からは大分離れることが出来た。

私と希哲社が開発する想起検索とは,個人の知識を蓄積・改良するための検索技術だ。厳密に言うと,あらゆる知識の蓄積に使えるコンテンツ管理システムデルン(deln)の検索機能のことなので,「検索エンジン」の範疇に留まるものではない。デルンはブログウィキ等を統合したような概念で,ブログを利用した Blogger や,ウィキを利用した Wikipedia があるように,デルンを利用した月庭があると考えてもらえればいい。用者は,デルンの想起検索を使って,すべての物事を「想起する」(想い起こす)ように検索し,その答えを自ら蓄積描出していく。これが個人性のない集合知ではなく個人の知識を育てる収斂知として,ビッグ データ(大きなデータ)ではなくライブ データ(活きたデータ)として情報の好循環を生み,もはや他のどんなサービスよりも手放せないものになっている。

想起検索は「検索エンジンという概念を(も)超える」試みの一つだが,手応えとしてはこれ以外に検索エンジン市場を塗り替える方向性はないだろうと感じる。私からいま「次世代検索エンジン」に携わっている人達に助言するとしたら,心苦しいが,想起検索が一般公開される前に損切り(撤退)することをお勧めする。少なくとも,高機能指向・高性能指向だけで検索エンジン開発を捉えていると,なにも私の手に限らず「再定義指向」開発が成功した時に大打撃を免れないはずだ。だから私は,再定義指向開発にしか投資しなかったし,出来なかった。

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