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{「まとめ」から「もとめ」へ K#F85E/2EC3-4985}

ここ数日,大きく報じられている『WELQ』問題を背景として,「キュレーション サイト」などと呼ばれるものを含む広義の「まとめサイト」のあり方が問われている。

私はもともと脱まとめ論者だ。キュレーションに対しては「ガーデニング」(参考:「キュレーション」と「ガーデニング」の違い),まとめサイトに対しては「もとめサイト」などと,「まとめ」から脱却するための様々な表現・概念を考えてきた。この『月庭』もその思想に基いて開発されている。

3年ほど前に「キュレーション サービスへの印象」という文章も書いている。その中で私は,いわゆるキュレーション サイトの問題として,粗悪な情報でアクセス稼ぎをさせるような設計にしかなっていないことを指摘していた。これはまさに今『WELQ』問題で指摘されていることと同じだ。

私が「ガーデニング」や「もとめ」という概念で言わんとしていることは,「よりよく見せかけるための知」ではなく「よりよく見るための知」を重視しようということだ。これは現代におけるソフィズムとの闘いでもあり,希哲館がその名の通り追究してきた課題でもある。いまさら確信が深まるというほどこの信念が揺らいだことは無いのだが,いよいよ機が熟してきたという感がある。