第24回参議院議員通常選挙投開票日が目前に迫っている。綜道尾派・希哲党支持者として,完全に「中立的」な観点から日本の政局についての雑感でも述べたい。
さて,現・安倍政権批判への反論としてよく聞かれるのが「対案を示せ」という言葉だが,私はこの手の言説に強い不信感を抱いている。現政権の欠点が実は「具体案の無さ」にある,というのは支持・不支持に関わらず冷静な分析をしている有権者の共通理解だからだ。成長戦略の焦点が定まっていないことは外国 鳴体を含め度々指摘されていたことで,それを政権の大きな課題として注視してきた者から言えば,対案を求める前にそもそも具体案を詰めて欲しいという感がある。
さらに言えば,この「対案を示せ」と言っている者が(安倍晋三氏も含めて),実は「対案とは何か」ということについてよく考えていない節がある。つまり,便利な批判封じ込めの定型文として安易に利用しているだけと感じてしまうことが多い。
いわゆる「アベノミクス」は,マーケティング的な分かりやすさ,という点でそれなりに成果を挙げたと思う。とにかく好景気感を煽っていくという,いわば「バブル牽引型」の景気回復路線にあるのが現政権の経済政策と言えるが,経済において「嘘から出た実」というのは馬鹿に出来ないので,それも一概に否定は出来ない。一方で,野党はそのような「演出」を止めろと言っているわけで,野党に見た目だけ派手な「対案」とやらを求めるのも酷だ。
とはいえ,誰の目にも分かりやすい,「声の大きい」政策が支持を集めるためには必要だというのも政治の現実だ。その点で,野党が頼りないのも確かだろう。例えば,「事業仕分け」のような分かりやすい改革案がいまの野党には無い。端的に言って,民進党と共産党が共闘するならベーシック インカム(BI)を中心に戦略的な展開を計るしかないと私は思っている。現状,野党は野合でしかないので,各個撃破されるのがオチだろう。私自身は BI の積極的支持者ではないので,それを掲げた野党を積極的に支持するわけではないが,再び政権を取りたいなら,これぐらいの思い切り,インパクトが必要だ。
日本は歴史的に見ても平等意識が強く,戦後は「一億総中流」,「世界で最も成功した社会主義国」などと言われたように,世界に先駆けて本格的な BI 導入を実現したとしてもおかしくない社会風土がある。さらに,滅私奉公的な労働環境,それによる創造性の欠如,脱工業化の遅れ,といった問題の解決策でもあることを訴えれば,それなりに説得力のある政策となるだろう。
私はもちろん,「ベーシック ウェルカム」(BW: Basic Welcome)を基調とする希哲党を支持していく。