{市民}{ブルジョワ革命}{素描}{革命}(4)

{市民革命 K#F85E/08A2}

清教徒革命からアメリカ革命(独立戦争)までの,絶対王政封建制に対する一連の革命を総括する,「市民 (citizen) 革命」という言葉は,日本では通用しているが,欧米にはなく,ブルジョワ(富裕市民)が革命の主体を担ったことから bourgeois revolution と呼び,日本ではこれを指してブルジョワ革命,または市民 (bourgeois) 革命と呼ぶ。

啓蒙思想

王権神授説絶対王政

近代にはいってから登場した。欧州のキリスト教会を中心とした伝統的な権力構造を素地に,王権を神格化することで成立した。

ブルジョワジーと市民

絶対王政,封建制下における市民の主権は,非為政者の,啓蒙と資本の獲得が原動力となる。ブルジョワジーは大航海時代の貿易などによって富裕になった商工業者で,労働力の流動化,市場の開放,私有財産の保護を求めるブルジョワと,絶対主義・封建制に対抗しうる経済的な共同体と,主体的な経済活動の保証を求める市民が合目的化することで市民革命は達成される。

但し,この発展は人間の希求(社会的責務,主体性)を絶対性から解放したが,資本主義によって抑圧された。何故なら,ブルジョワジーが絶対制に対し求められたのは,経済流動化による機会平等,社会的生産物に対する正当評価,つまり人間の身体的・精神的自由と富を保証することであったにも関わらず,資本主義は別の方面でそれを抑圧したに過ぎなかったからである。この失敗は,必然的に共産主義を生み出し,世界的な悲劇を生むことになる。